SCJ-18-016
日本テキサス・インスツルメンツは、正確さを重視する各種アプリケーション向けに、高速動作と高精度を同時に提供し、より精度の高い回路設計を可能にする、新型アンプ製品 3品種を発表しました。今回発表された新型デバイスは、テスト・計測、医療やデータ・アクイジション・システムなどにおいて、多様な入力信号のより正確、かつ高速な処理を可能にするために役立ちます。最大電源電圧が27V~36VのTIの新型アンプ製品の詳細に関しては、http://www.tij.co.jp/hvamps-pr-jpをご覧ください。
設計者は、システム要件に適合するアーキテクチャのほか、次のような入力電圧、帯域幅や特長を備えたアンプ製品を選択できます。
- 『OPA2810』: 最大電源電圧27V、JFET(接合型電界効果トランジスタ)入力、デュアル・オペアンプ、帯域幅120MHz、 オフセット電圧500μV(最大値)
- 『OPA189』: 最大電源電圧36V、ゼロ・ドリフト・オペアンプ、帯域幅14MHz 、MUX(マルチプレクサ)の接続に適した入力回路
- 『THS3491』: 最大電源電圧32V、電流帰還アンプ、小信号帯域幅900MHz、出力電流±420mA
より広い帯域幅と、より高速の動作を提供
TIの新型高電圧アンプ製品は、競合製品の2倍の帯域幅とスルーレートを備え、次のようなシステム・レベルの利点を提供します。
- 『OPA2810』と『OPA189』は広い帯域幅を提供、より高精度の計測アプリケーションに、高ゲイン設定と、より高速の応答時間を提供
- 『THS3491』電流帰還アンプの広い小信号帯域幅、高いスルーレートや±420mAの出力電流能力を活用して、低歪み、かつ高出力電力レベルの回路設計が可能。『THS3491』は200MHz、100Ω 負荷の条件で10Vpeak-to-peak の出力レベルが可能で、任意波形発生器、レーザー・ダイオードのドライブ回路や、高容量負荷を駆動するアプリケーションなどに最適
正確さ重視のアプリケーションに最適化、高精度を提供
これらの高電圧アンプ製品は、他に例のない高精度を提供し、最大限のシステム精度を可能にするほか、外部の較正機能が不要で、BOM(原材料)コストを最小限にします。高精度の性能は、次のような利点を提供します。
- 『OPA2810』は、27V動作、100~200MHzの帯域幅のオペアンプ製品の中で、業界をリードするオフセット特性と、最小の電圧ノイズ特性である5.7 nV/√Hz を提供、データ・アクイジションや信号処理のアプリケーションで、より高精度のシステムが可能
- 『OPA189』は業界最高の帯域幅のゼロ・ドリフト・オペアンプ製品であり、業界最小の5.2 nV/√Hzの電圧ノイズ特性を提供。『OPA189』は0.02μV/℃(最大値)の低ドリフト特性を提供、較正なしで最小の温度誤差特性を提供、システム精度を拡張温度範囲まで向上
より低い消費電力
TIの新型アンプ製品は競合製品の最大80 パーセント低い消費電力で動作することから、低消費電力の高速回路の設計が可能です。
- 120MHzの『OPA2810』オペアンプは、クラス最高の3.6mAの低消費電流特性を提供しながら、優秀なSNR(信号-雑音比)と歪み特性を提供
- 『OPA189』は、消費電力重視で高ゲインと低歪みが必要なアプリケーション向けに開発され、14MHzの帯域幅で最も低消費電力のゼロ・ドリフト・オペアンプ製品であり、1.3mAの無信号時電流で、アナログ入力モジュール、電池やLCDのテスト機器など、ノイズに敏感な産業用システムで、より高分解能の設計が可能
設計期間の短縮に役立つ評価ツールとサポート
TIでは、高電圧システムの設計期間短縮に役立つリファレンス・デザインを提供しています。
パッケージ、供給と価格について
TIの新型高電圧アンプは、下記の表に示すパッケージと価格で供給中です。『OPA189』と『THS3491』アンプは量産出荷中で、TI storeと販売特約店から供給されます。また『OPA2810DGKEVM』評価モジュールもTI storeと販売特約店から供給中です。量産数量の『OPA2810』アンプは2018年第3四半期から出荷される予定です。
|
評価モジュール |
パッケージ |
1,000個受注時の単価 |
型番 |
OPA2810 JFET 入力オペアンプ |
8ピンSOT-23 8ピン VSSOP |
1.98ドルより |
||
ゼロ・ドリフト・オペアンプ |
8ピン SOIC |
0.96ドルより |
||
電流帰還 オペアンプ |
8ピン SOIC 16ピン VQFN |
6.20ドルより |
- 『OPA2810』、 『OPA189』 や『THS3491』 のデータシートをダウンロード
- ブログ記事「 高速アプリケーションでのJFET入力オペアンプの利点 」(英語)を参照
- 高速、高精度の計測について紹介するアプリケーション・ノートを参照(英語)
※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。