高電圧システムでのバッテリ不良の診断時間を半分に短縮し、設計のASIL-D認可取得を支援しながら、ハイブリッド車と電気自動車の走行距離を延長

 
2021年1月08日

SCJ-21-001

日本テキサス・インスツルメンツは、最大800Vまでシステムの電圧を高精度で測定する新しい車載用バッテリ・モニタおよびバランサを発表しました。この機能に加えて、バッテリ・モニタおよびバランサ『BQ79616-Q1』は、ハイブリッド電気自動車(HEV)と電気自動車(EV)の安全性要求レベル(ASIL)Dへの準拠を効率化します。詳細についてはwww.ti.com/BQ79616-Q1-pr-jpをご覧ください。

 

システムレベルのノイズをフィルタリングしてバッテリの電圧と温度を正確に測定すること、およびその情報を確実にマイコンに伝えることは、ともに自動車メーカーにとって重要な設計課題です。この2つの課題に対処する『BQ79616-Q1』を使用すると、バッテリ安全性目標の達成と、有線および無線バッテリ管理システムにおける充電1回あたりの走行距離の最大化を図ることができます。

 

バッテリ・モニタおよびバランサ『BQ79616-Q1』は、業界で初めて、特許取得済みのフォルト時ウェイクアップ(wake-up-at-fault)機能 を組み込みました。SPI/UART通信インターフェイス『BQ79600-Q1』と併用することで、車の駐車時や車の電源がオフになったときに、システムを完全にシャットダウンできます。この機能により、バッテリ電力を節約して、セル・バランシングを強化し、安全要件に対応できるようになります。TIのフォルト時ウェイクアップ機能について詳しくは、技術記事「自動ホスト・リバース・ウェイクアップによりHEV/EVのバッテリ寿命を延ばす」をご覧ください。

 

高精度バッテリ・モニタおよびバランサにより走行距離を最大限に延長

 

『BQ79616-Q1』はTIのバッテリ・モニタおよびバランサの次世代ファミリの中で初めて、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)など、さまざまな種類のバッテリの高精度モニタリングに対応しました。そのため、自動車メーカーはバッテリの充電状態と健全性状態をさらに高い精度で測ることができ、コストの削減になります。『BQ79616-Q1』には、信号測定精度を最適化するデジタル・ローパス・フィルタと高精度A/Dコンバータが内蔵され、誤差が2mV未満のセル電圧測定を実現します。

 

業界最速の診断機能によりASIL-D認証取得を効率化

 

TIの新しいバッテリ・モニタおよびバランサは、ISO 26262のコンポーネント・レベル要件を満たし、電圧測定、温度測定、および通信についてASIL-Dへの準拠を支援します。これにより、BOMとソフトウェア・オーバーヘッドが劇的に削減されます。400Vシステムで100msと業界最速のバッテリ不良診断機能により、システムの信頼性とバッテリの安全性がさらに向上します。

 

堅牢な通信機能と高度な熱管理によりシステムの信頼性が向上

 

『BQ79616-Q1』は、HEVやEVの過酷でノイズの多い環境にも耐える堅牢な電磁環境適合性(EMC)性能を備えており、デイジー・チェーン通信の信頼性に影響を与えません。さらに、『BQ79616-Q1』のピン定格は高電圧過渡事象やホットプラグ事象にも耐えられ、内蔵の自律的セル・バランシングにより熱管理が簡素化されます。高度な熱管理によるシステム信頼性の向上について詳しくは、技術記事「自律的セル・バランシングによりEVの熱管理を強化」(英語)をご覧ください。

 

拡張可能なバッテリ設計によりコストと開発期間を削減

 

TIのバッテリ・モニタおよびバランサの新ファミリでは、同じパッケージで複数のチャネルのオプションを用意して、ピン互換性と既成のソフトウェアの100%再利用に対応します。さらに、『BQ79616-Q1』はバス・バー測定を統合しているため、バッテリ・モジュール・サイズのさまざまな組み合わせでチャネルを最大限に利用できます。『BQ79616-Q1』を『BQ79600-Q1』と組み合わせて、通信インターフェイスが1つのみの閉ループ構成のバッテリ管理システムを設計できるので、部品数がさらに削減されます。

 

パッケージ、供給と価格について

 

16チャネルの『BQ79616-Q1』は10mm×10mm、64ピンHTQFP(熱特性強化型薄型クワッド・フラット・パッケージ)で、TIウェブサイトにて供給中です。1,000個受注時の単価は6.90ドルから設定されています。『BQ79616-Q1EVM』評価モジュールは、399.00ドルでTIウェブサイトから供給中です。『BQ79600-Q1』の量産品は、16ピンTSSOP(薄型シュリンク・スモール・アウトライン・パッケージ)でTIウェブサイトから供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は4.00ドルから設定されています。12チャネルと14チャネルの新しいバッテリ・モニタおよびバランサは、2021年第1四半期に供給開始の見込みです。

 

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